まごしろうの茶事/太田道灌録

茶道を中心に、その他雑記をしています。室町時代の武将、太田道灌の研究もしています。

香合:道灌和歌

露おかぬ 方もありけり 夕立の 空よりひろき 武蔵野の原

太田道灌歌人としての側面を持っており、しばしば公家に添削を乞うほどだっと言われています。大変な熱心さですね。

上の和歌は個人的に1番気に入っています。道灌が1464年に上洛し、後土御門天皇に拝謁した際に「武蔵野はどんなところか」と聞かれ、返答として詠んだと言われています。

「武蔵野は、空を覆う夕立でも、濡れていないところがあるくらい広いのです」

といった意味でしょうか。

武士らしい勢いがある歌ですね。

この和歌が書かれた香合を持っています。

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薄い木製なのでびっくりするくらい軽いです。

武蔵野といえば月の名所で知られた場所ですが、中身の金色が満月を思わせます。

茶道男子について

僕は4年ほど前から、茶道を習っています。

なんとなく体験レッスンに参加したのがきっかけでしたが、上手くなりたいと一生懸命になっているうちにあっという間に4年が経ってしまいました。

そろそろ人前でも「趣味は茶道です」と言えるくらいになってきたかなと思います。

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ただ、やはり男性が茶道をするというのは珍しがられることが多く、「茶道=女性のもの」というイメージが世の中の共通認識であることは間違いありません。

茶道の成り立ちと発展の歴史を紐解いていくと、戦国武将や大名の嗜みとしてのものであった期間が非常に長いのですが、ここ150年程の間に逆転して現在に至ります。

そんな中「茶道男子」というワードを目にすることが増えてきた気がします。

実際にインターネットで「茶道男子」を検索すると、結構いろんな記事が出てきて嬉しくなります。

「男の隠れ家(2017年9月号)」に茶道のページがありますので、興味のあるかたは是非バックナンバーでお買い求め下さい。

近々東京オリンピックの開催もあり、世界中で日本文化が注目される昨今、茶道について学ぶことは非常に意義深いことだと思うのです。

男性の皆さん、いかがでしょうか。

掛軸:太田道灌 山吹の里

私が唯一所持している掛軸を紹介します。

益田玉城作 太田道灌 山吹の里

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江戸庶民から大変な人気を誇った太田道灌は色々な逸話が残っていますが、特に有名なのがこの「山吹の里」です。

 

◆内容

ある日のこと、道灌は鷹狩に出かけたが、雨にあって民家に駆込む。すると出てきたの は少女であった。道灌が「すまないが蓑(みの)を貸してほしい」と声をかけると、その 少女は黙って山吹の花を差し出す。意味が分からぬ道灌は怒り、濡れながら雨中を帰った。
その夜、道灌は家臣から、
「七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに 無きぞ悲しき」 という歌があることを聞かされる。少女は「蓑(実の)ひとつない貧しさ」を山吹に例え たのである。「私は歌道に暗い」と自らの不明を恥じた道灌は、その後歌道に精進するよう になったという。

 

この逸話は、貧しいながらも風流な心を持つ少女を称えるとともに、道灌の勤勉さや素直さが如実に感じられるエピソードとなっています。

その後の道灌は色々な歌を残していますので、またいずれ紹介することにします。

なんともいえない山吹の色合いが、切なさを誘いますね。

このシーンを切り取った銅像が関東にいくつかありますので、是非探してみて下さい。

この逸話の真偽は不明で、創作の可能性も高くはあります(別記事の太田道灌研究資料でも触れています)が、歴史はそういった側面があってもいいのかなと。


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よく見ると雨も描かれています。
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柔らかい筆使いです。
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この少女は「紅皿(べにざら)」といい、元は高貴な生まれであったのが何らかの理由で貧しい暮らしをしていたようです。

歌の心得があったのはその為。

このことがきっかけで後に太田道灌江戸城に招かれ、歌の友となりました。

太田道灌が亡くなると、出家して今の大久保に庵を建て、道灌を弔ったといわれています。

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益田玉城は日本画家です。
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今は自宅マンションの茶道稽古スペースに飾っています。

太田道灌を扱った作品としては、かなり大型で貴重な部類に入るかと思います。

元々は226cmありましたが、茶室の床の間に合わせ195cmに仕立て直しております。

必要に応じて貸出も致します。ご相談下さい。

 

何かあれば

furukisi000@icloud.com

まごしろう宛

にお願い致します。

着物襟カットソー

先日、銀座でこんなカットソーを見つけました。

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JOTARO SAITOの「着物襟カットソー」という製品です。

長着の下に着るわけですが、半襦袢のようにズレを気にせず、また気軽に洗えるところがとてもいいです。

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モデルが悪くてすみません。単体だとこんな感じ。

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合わせるとこんな感じ。

※着物は化学繊維のリーズナブルなやつです。カットソーの方がずっと高いです。

店員さん曰く、ジャケットの下に着てもいいとか。カットソーですからね。

1万ちょっととお高いですが、デザインも色々あるのでもっと買い足したいところ。

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これはお洒落ですね!単体で着たこともありますが、評判良かったです。

男の着物は女性に比べて地味になりがちですが、最近は遊び心のある物が増えましたね。

 

サイズ展開はM/L/LL。

あくまで男性向けの製品ですので、ご注意下さい。

公式HPから通販でも買えますので、是非。

 

茶会「太田道灌〜山吹の里〜」研究資料

2017年の9月に、太田道灌をテーマにした茶会を行いました。

個人的な補足資料として作成したものではありますが、公開させていただきます。

 

※2021年2月4日 更新

https://drive.google.com/file/d/1usDDcfMPY6r14d7PmI0oHLbO8DZ6Xkau/view?usp=drivesdk

 

太田道灌〜山吹の里」

太田道灌を中心に、当時の関東情勢についても記述しています。

多くの資料を元に個人的な見解を加えたものですので、史学的な確証があるわけではありません。

参考程度にお読みいただければ幸いです。

また随時更新していきますので、内容は多少変化する可能性があります。

 

茶会当日の道具や会記、その他準備物も後日写真を公開するつもりでおります。

↓個人で所有している掛軸で、太田道灌の山吹の里伝説が描かれています。

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